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【コラム】集団療育が子どもたちに必要な理由と「ぬくあい」の取り組み



〜放課後等デイサービスで広がる“ともに育ち合う”療育のかたち〜


ハイタッチ


🧩 はじめに:療育に「集団」という選択肢を


発達に特性のあるお子さんの療育というと、「マンツーマンでの個別支援」が思い浮かぶ方が多いかもしれません。

しかし近年、子どもたちが“集団の中で育ち合う”ことの大切さが、数々の研究や現場の実践から明らかになってきています。


本記事では、なぜ集団療育が今求められているのか、そしてその実践の場としての放課後等デイサービスの役割、さらに、板橋区にある放課後等デイサービス「ぬくあい」における取り組みについて詳しくご紹介します。




👥 なぜ「集団療育」が必要なのか?



ー研究データと実践から見える5つのメリット




① 社会性・対人スキルの向上



自閉症(ASD)の子どもたちを対象とした研究では、集団でのソーシャルスキルトレーニング(SST)により、他者とのやりとりや会話の開始行動が明らかに向上したとされています。


個別支援では難しい「他児との自然なやりとり」が、集団の場では日常的に経験できます。




② 役割体験による自己肯定感の向上



日本の事例研究では、集団活動の中で子どもが「役割(リーダー・発表者など)」を持つことで、自己有用感や自信が育つという効果が報告されています。


「みんなと一緒に活動できた」「人の役に立てた」という感覚は、療育の中でも特に重要な“心の栄養”になります。




③ 行動のコントロール力(自己調整能力)が育つ



行動調整(セルフコントロール)は、学校生活や社会生活に欠かせない力です。米国の研究では、集団療育を受けた子どもたちが「待つ」「順番を守る」「ルールに従う」といった自己抑制能力が向上したという結果が示されています。




④ 保護者の孤立防止・仲間づくりにもつながる



保護者にとっても集団療育はメリットがあります。

療育に関わる保護者同士がつながることで、育児ストレスや孤立感が軽減されることが研究により明らかになっています。


「うちだけじゃない」「分かり合える仲間がいる」という感覚は、継続的な支援のカギとなります。




⑤ 友だち関係を築く機会が増える



放課後等デイサービスに関する調査(2020年・全国207事業所対象)では、「集団活動を通じて子ども同士が友人関係を築いた」という結果が82%の事業所から報告されています。

仲間との関係性は、日々の通所意欲や情緒の安定、自己肯定感の形成に良い影響を与えます。




🏠 放課後等デイサービスと集団療育の関係性



放課後等デイサービスは、学校が終わった後や長期休暇中に、障害のある子どもたちが過ごす療育・支援の場です。その中で「個別支援」+「集団活動」の両輪で支援を行う施設が増えています


特に、社会性・協調性の育成が求められる小学校中学年以降においては、放課後等デイサービスの“集団という環境”が、療育的に非常に大きな役割を果たします




🌈 板橋区にある放課後等デイサービス「ぬくあい」での実践




🔸 ダンスを通じた“関わり”の療育



「ぬくあい」では、ダンスやリズム運動、集団あそびを中心にした表現を使用した療育を取り入れています。

音楽や身体表現を使うことで、言葉に頼らないコミュニケーションや、相手を感じながら動く協調性を楽しく身につけることができます。




🔸 一人ひとりが“主役”になれる集団づくり



子どもたちには、それぞれ得意不得意があります。

「ぬくあい」では、一人ひとりが活躍できるように役割を工夫し、成功体験を積み重ねられるよう支援しています。

また、「できないこと」に焦点を当てず、「どうしたら楽しくできるか」を大切にした関わりを行っています。




🔸 保護者とも“ともに育ち合う”姿勢



「ぬくあい」では、保護者との連携も大切にしています。

毎日の活動の様子を共有し、保護者の不安を軽減するとともに、子どもたちの“頑張り”を一緒に喜べる関係性を築いています。




🧭 まとめ:集団の中で“ともに育つ”ことの意味



個別療育ももちろん大切ですが、子どもたちが将来社会の中で生きていくためには、「他者と関わる経験」が不可欠です。


集団療育は、「できる/できない」だけでなく、「人といるって楽しい」「自分には居場所がある」という気持ちを育てる場でもあります。


放課後等デイサービス「ぬくあい」は、子どもたちが仲間の中で笑い合い、刺激し合いながら成長できる場所です。ご関心のある方は、ぜひ一度ご見学にいらしてください。




参考文献・出典
  • Barry, T. D., et al. (2007). Group-based social skills training with ASD children.

  • MacDonald, M., et al. (2015). Self-regulation and group interventions.

  • Kazak, A. E., et al. (2001). Family stress and peer support in autism.

  • 白井ら(2012)『集団療育における役割体験の効果』

  • 大江直樹(2014)『ソーシャルスキルトレーニングの実践と研究』

  • 放課後等デイサービスに関する全国調査(2020)





 
 
 

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